あなたの弱みは何ですか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第110回

~『実践版 三国志』(鈴木博毅著)を読んで学んだこと~

 

弱点こそが人生のボトルネック。

 

正直言って、これは名著だと思います。少なくとも読書オタクはそう思いました。

私は三国志について詳しくありません。

読書オタクは決して歴史に疎いわけではありませんので、三国志の三国である魏呉蜀と曹操・劉備・孫権、劉備の仲間である関羽・張飛・趙雲・諸葛孔明などの名前は知っていましたし、最低限の知識はあります。一方で、歴史家や中国史の研究家ではありませんので詳しくはありません。ですので、本書を読む前は、本書をちゃんと理解できるか心配でした。

ただ、本書は歴史書ではありません。完全なるビジネス書です。

三国志の時代に出ている英雄たちの考え方や行動、そして、その結果を題材として、現代社会に通じる解説がついており、少なくともドラッガーの本よりも私にとってはスーッと頭の中に入ってきました

本当はすべてご紹介したいところですが、一番ハッとさせられたところを以下に引用致します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/フィギュア-ドラゴン-フィギュア-中間戦国時代-中国-1796970/

 

【この本のポイント!】

 

人生の成否を決めるのは、その人の一番弱いところである

 

ビジネスも人も、一番弱い部分で必ず負ける。

ならばまず「弱みを補強する、弱みを底上げすることが大切」と司馬懿(しばい)は教えます。

しかしこの分析には、疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。

私たちは研修や、ビジネスで「強みを鍛え、強みを伸ばせ」と言われてきたからです。

経営学者のピーター・ドラッガーも、書籍『経営者の条件』などで、強みを基盤にすることを推奨しています。

では、司馬懿の戦略から導いた結論は間違っているのでしょうか。

そんなことはありません。適用する場面を取り間違えているだけなのです。

ドラッガーの主張は、組織が自分の弱みを誰かの強みで代用してもらえる構造を持つことから来ています。

私たちが苦手なことも、それを得意とする人を雇うことでカバーができるからです。

ドラッガーが「人の強みを建築用ブロックとすることが、組織の役割」としたのは、弱みを他の(得意な)人に担わせて、集団では個人の強みを活かせることが理由です。

【強みと弱みの重要な構造】

〇組織に所属するとき、個人は強みを武器にできる

〇人生全体としては、弱みこそが勝敗を分ける

わかりやすい例を、プロ野球選手などの人生に例えてみます。(中略)

華やかなプロスポーツ選手が、現役を引退したあと一体どうなるか。

ビジネスの世界で大成功する人や、解説者として人気を博する人も多いです。

飲食店の開業や、企業の広告、タレントとしてマルチに活躍する人もいます。

一方で、大変残念ながら破産する人、犯罪者にまで落ちぶれる人までいます。

この違いは何なのか、現役を離れたあと、何が人生の勝敗を決めるのか。

それが、その人の持つ「一番弱い部分」なのです。

弱みを補強する誰かを得た人、弱みを底上げする努力をした人が勝つ。

弱みをそのまま放置し、強みで勝てると勘違いする人が没落して負ける。

弱みの底上げや、補強がされなければ、強みを活かす場まで辿り着けないからです。

チームや組織に所属していたときのように、あなたの苦手なことを逆に得意とする人に、弱みの部分をカバーしてもらえないからです。(中略)

司馬懿は一貫して、相手の弱みに着目して勝者となりました。

それは裏を返せば、弱みで転落し敗北を迎える人が多いことを意味します。

彼の提言や戦略、戦勝は、制約理論の発想と共通することばかりです。

組織やチームを離れたら、人は個人として全体を管理する必要に直面します。

その時に人生の悲喜をわけるのは、一番の弱みであって強みではないのです。

 

三国志の英雄ならどうする?77

人生の成否は、あなたの一番弱いところで決まる

 

『実践版 三国志』P227~P230

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/フィギュア-・-ドラゴン-戦国時代-中国-1796971/

 

引退したプロスポーツ選手だけでなく、会社を辞めて独立した人も同じだす。

たとえば、仕事を取ってくるのが上手な営業マンがいたとして、その人がいなくなったら会社の仕事が無くなるというくらい活躍していたとします。

ただ、その人が勘違いして、これだったら自分でやった方がいいと思って独立したらどうでしょうか?多くの場合は上手くいかないか、独立当初は大変な苦労に見舞われると思います。

まずどのような立場の人であれ、もっといえば、会社を興した創業者やオーナー経営者であれ、会社という組織がその人の信用をカバーしてくれています。

いくら営業で仕事をいっぱい取ってきたとしても、その人の知識や経験がいくら豊富であっても、それだけで仕事をいただけるほど世の中は甘くありません。

商品やサービスの内容だけしっかりしていても、それを支える、それができると証明できる体制、資金繰り、対応の良さなど、さまざまな面を総合して判断されます。

仕事を発注する側が何社かで相見積もりを取っていた場合、すべての項目で完璧なところは少ないと思いますが、総合力で判断されることは間違いありません。

つまり、独立してまず個人レベルから始めるのであれば、まずは個人で戦える土俵から始める必要があります。

個人や数人で始めた会社が、いきなり工場プラントの建設案件を受注できることなんてありえません。もちろん、コンサルや顧問として参加するなら別ですが。

その人が組織でどれだけ実績があろうとも、たとえば、かつては部下300人を従えていたり、次々と新規事業を起こしたり、ナンバーワンの売上を達成したりしていたとしても、それらはあくまでも組織としての信用やサポートがあったからで、同じことを自分でやろうとしても誰も相手にしてくれません。

また、ビジネスを続けることも容易ではありません。

仕事を取ってくるのが得意でもお金の回収が下手な人がいたとします。経営者なら、前者はひたすら仕事を取ってくることに専念させ、お金の回収は別のそれを得意とする人にやらせればいいと考えます。ですので、その人物にキラリと光る才能があれば、他の欠点はある程度は目をつぶっても差し支えないのです。

ただ、ビジネスにおいては、いくら売上が立ってもそのお金を回収できなければ継続できないことは子供でもわかるでしょう。

本引用箇所で一番ビビッと来たのは、「弱みの底上げや、補強がされなければ、強みを活かす場まで辿り着けない」という部分です。

世の中どうも、自分の強みを強調する人が多いような気がします。

たとえば、自分はこれだけ有名なのだから、自分の名前を出せばすぐに人が集まる。

このようなことを言う人は、十中八九、自分で人を集めることができません。なぜなら、ビジネスに限らず、お金をいただくことと時間をいただくこと、この2つが一番大変だからです。人を集めることは時間をいただくことに該当します。その人はわざわざ自分の大事な時間を割いて参加する必要があるからです。

そのような地味な苦労を少しでも理解していれば、このような発言は出てきません。また、この手の人は、それをお願いした人が実際にできなくても、自分の責任とは思いません。

そろそろまとめますが、いずれにせよ、どのような人であれ、かつて組織として達成したことを自分でもう一度ゼロからやり遂げたいと思うのであれば、まずは今の自分でできるところから地道にやっていくしかないと思います。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/実践版-三国志-―-曹操・劉備・孫権、諸葛孔明……最強の人生戦略書に学ぶ-鈴木博毅/dp/4833421704/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1538816647&sr=1-1&keywords=%E4%B8%89%E5%9B%BD%E5%BF%97%E3%80%80%E5%AE%9F%E8%B7%B5%E7%89%88

 

参考図書:『実践版 三国志 曹操・劉備・孫権、諸葛孔明……最強の人生戦略書に学ぶ』

発行年月:2016年5月

著者:鈴木博毅(すずき・ひろき)

発行所:プレジデント社

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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