みなさんは人任せになっていませんか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第93回

~『指導者の条件』(松下幸之助著)を読んで学んだこと~

 

人に任せることと人任せは異なる

 

本書は、松下幸之助さんの金言が計102つも収録されています。そして、一つのお題目に対して見開き2ページで簡潔にまとめられており、とても読みやすい優れものです。いずれもためになる内容ばかりですが、時間が無い場合や興味があるところだけ読みたい場合でも、目次を見て気になるところだけサッと辞書のように読むこともできます。

すべてご紹介したいところですが、今回特に気になったところを以下に引用します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/実業家-オフィス-ネクタイ-マネージャー-経済-ビジネス-金融-598033/

【この本のポイント!】

 

大事と小事

指導者は基本を押さえ、あとは自由にまかせるようにしたい

 

名君として名高い岡山の藩主池田光政が若いころ、京都の名所司代とうたわれた板倉勝重を訪ねて、政治の要諦をたずねた。すると勝重は、「たとえば、四角い器に味噌を入れ、それを丸い杓子でとるようにすることが大事でしょう」と答えた。光政が重ねて、「それでは、すみずみまでとれなではないですか」とたずねたところ、「そこが肝心です。あなたは聡明で、しかも熱意を持って政治にあたっておられ、国のすみずみまで立派にしたいとお考えでしょうが、あまりこまかいことまで気にしてはかえって、国は治まらないと聞いています」といったという。

理想に燃える青年大名に対して、経験を積み、人情の機微を知り尽くした老練政治家の真実をついた忠言といったところであろう。

“千丈の堤も蟻の穴から崩れる”ということわざもあるから、指導者たるものは決して小事をおろそかにしていいというものではない。たとえば会社の社長が、紙一枚ムダにした部下を叱りつけるといったことも時には必要な場合もあろう。しかし、何から何までいちいち社長が、「ああせい、こうせい」と口出ししていたら、みんなわずらわしくてしかたがないし、やる気をなくしてしまうだろう。第一、小さなところならともかく、大きな会社でそんなことをやっていたら体がいくつあっても足りない。

一国の政治でも同じことである。あれもこれもと考えて、法律をどんどんつくり、いわば網の目のようにびっしりはりめぐらして国民生活を規制したら、それでうまくいくかというと決してそうではない。それでは、国民は息がつまって、窒息同様になってしまい、さかんな活動というものは生まれてこない。

だから、小事をおろそかにしていいというわけではないが、小事にとらわれて、いわゆる重箱のすみをつつくようなことになると、かえって肝心の大事の方が失われてしまう。したがってやはり、大切なポイントだけをしっかり押さえ、あとは自由にのびのびとやらせるということが必要だと思う。結局はその方が秩序もおさまり、生き生きとした活動も起こり発展も生まれてくるといえよう。

もっとも最近は、こまかいところはもちろん、肝心の押さえるべきところも押さず、放任放縦に堕しているような風潮も見られるようで、これではいけないのは当然のことである。

『指導者の条件』P130~P131

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/男-企業-実業家-スーツ-ネクタイ-通り-都市-市-成功-871960/

 

むかし、ある会社の社長が工場の現場にいた時に、「そこに一円が落ちている」と言いました。ところがどう見ても硬貨は落ちていません。すると、これだ!と言わんばかりにそばに落ちているボルトを拾い上げました。

コスト意識が無い人にはこの話は理解できないかもしれません。そのような人は、本引用箇所にも出てきましたが、たかが紙一枚くらいムダにしたって大したことないと思うかもしれません。

しかしながら、社長として長年事業をしている人からすると、正にそのような意識、考え方が重要だということを身に染みてわかっているのです。よって、このようなマインドセットに関することはとても重要なので、事あるごとに部下に指摘するかもしれませんが、一方で、部下の仕事のやり方に対しては事細かに指示すべきでないこともわかっています。

なぜなら、やることは指示しても、やり方まで事細かく指示することはデメリットの方が多いことも知っています。つまり、自由にやらせてみると失敗する可能性もありますが、他方で、新しいやり方や考え方によって、指示した側よりも上手にやり遂げる可能性まで消してしまうからです。たとえ失敗しても、取り返しがつくような失敗なら大事にはなりません。そのような失敗は小事であり、それよりも、可能性を捨てないことの方が大事だということを経験で理解しているからです。

そもそも、組織のトップには、部下に対して事細かに指示しているだけの時間はありません。組織が大きくなればなるほど、関わる人を絞る必要があります。もし会社で指示が細か過ぎる社長がいたら、それは社長ではなく管理部長です。社長にはもっと大事な仕事があるはずです。

一方で、仕事を任せた側は、確認を疎かにするべきではありません。その確認にしてもすべてを確認する時間は無いかもしれませんが、要所となるところは時間を割いて必ず確認する必要があります。もしその確認を怠るのであれば、もはやそれは人に任せているのではなく、人任せです。仕事を指示した方も受けた方も無責任になり、時間とお金をムダにするたけで、勉強にはなるのかもしれませんが、ただそれだけのことで、結果としてはほとんど何も残りません。

本引用箇所を読んで、物事はある程度自由に任せることが大事だけれども、放置してはいけない。無責任な人任せになってはいけない。ということを言いたかったのではないかと感じました。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/指導者の条件-松下-幸之助/dp/4569647227/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1528538910&sr=8-1&keywords=%E6%8C%87%E5%B0%8E%E8%80%85%E3%81%AE%E6%9D%A1%E4%BB%B6

 

参考図書:『指導者の条件』

発行年月:2006年2月

著者:松下幸之助(まつした・こうのすけ)

発行所:PHP研究所

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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