みなさんは天職を見つけましたか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第73回
~『専業主婦は2億円損する』(橘玲著)を読んで学んだこと~
 
天職を見つけないとエライことになります
 
本書は、日本の女性にもっと活躍して欲しいという意図で書かれていますが、てっきり女性が女性向けに書いた本だとばかり思っていました。というのも、本書の赤い表紙や専業主婦と思わしき女性の絵、著者の名前の漢字、そしてなにより、女性を叱咤激励するような内容からして、男性が女性に対して書いた本なら若干物議をかもすのではないかと心配するような内容も含まれています。ちなみに、著者名はペンネームらしいのです。
 
どこかの政府が女性の活躍に躍起になっているのは、労働人口の減少という危機感があるのでしょうが、本書の前半部分は、そもそも、専業主婦というのが如何に不思議な制度?かというのを延々と語っています。私も不案内でお恥ずかしいのですが、日本も昔はずっと共働きで、専業主婦が増え始めたのは、歴史的に見ればここ最近からのようです。ただ、共働きの世帯もどんどん増えていますし、単に昔の状態に戻ったというだけで、あと20年もすれば、日本でも共働きが主流となるでしょう。ただ、問題は、あと20年も待てないという人が大勢いることです。
 
私の知人で、中国で子供が産まれて子育て中の親がいます。その子はようやく言葉を話せるようになったばかりですが、来年には3歳になり、日本の保育園に入れて両親は働こうとしています。ところが、保育園はどこも定員がいっぱいで、キャンセル待ちしか方法が無く、しかも、空きが発生したらこちらから連絡するという上から目線の対応だそうです。
 
対応の是非はともかく、これでは子育てしながら働くのは難しく、結局両親のどちらかの仕事を犠牲にするか、彼らの両親がまだ存命で元気なら、おじいちゃん・おばあちゃんに孫の面倒を見てもらうしかなくなってしまいます。
 
私の理解でも、日本では結婚すれば子供を産みたいと考える人が多く、残念ながら子供を授かることができない家庭もありますが、少子化の主な原因は、結婚するひとたちが減っていることだと言われています。ただ、子供を産んでも育てる環境が整っていないのであれば、いくら政府がお金をあげるから子供を産みましょう。と、奨励しても、1人は産んだとしても、2人目、3人目は躊躇してしまうのも無理はないでしょう。
 
いずれにしても、本書はこのように社会問題について書かれていますが、読書オタクは以下の箇所が気になったので引用します。
 
 
 
【この本のポイント!】
 
◎仕事の種類は実は3つしかない
 
最初に、「仕事」は①クリエイター、スペシャリスト、マックジョブ(バックオフィス)、の3つに大きく分けられる、という話をします。

このうち、①クリエイターと②スペシャリストを合わせて、「クリエイティブクラス」といいます。文字どおりクリエイティブ(創造的)な仕事に従事するひとたちですが、そのはたらき方には大きな違いがあります。
クリエイターの仕事で直ぐに思い浮かぶのは、歌手・俳優・芸術家・作家、あるいはマンガ家やアニメーターといったひとたちでしょう。ビジネスの分野では、アップルのスティーブ・ジョブズのようなベンチャー起業家が「もっとも成功したクリエイター」と見なされるようになりました。

スペシャリストとは専門家のことで、医者や弁護士がその代表例ですが、それ以外にも「専門」の仕事はたくさんあります。(中略)

マックジョブというのは、マクドナルドのアルバイトのような時間給の仕事です。バックオフィスは事務系の仕事のことで、日本では「非正規社員」に任されつつあります。非正規の仕事は時間給で賃金が計算され、年功賃金(年齢が上がると自動的に給料も上がる)ではなく同一労働同一賃金(年齢がちがっても同じ仕事をしていれば給料も同じ)で、定年までの終身雇用ではなく契約期間が決まっています。フルタイムではたらいていても、仕事の仕組みはマックジョブと同じなのです。
 
『専業主婦は2億円損する』P75~P77
 
 
◎クリエイターとスペシャリストの決定的な違い
 
同じ創造的な仕事に従事するクリエイティブクラスのなかでも、クリエイターとスペシャリストはどこがちがうのでしょうか。それは“拡張性”があるかどうかです。このことを演劇と映画で説明してみましょう。

ハリウッドの映画俳優の収入ランキングを見ると、『ミッションインポッシブル』のトム・クルーズ、『パイレーツ・オブ・カビリアン』のジョニー・デップ、女優では『ハンガー・ゲーム』のジェニファー・ローレンスが年収50億円をこえています(2016年)。『世界にひとつのプレイブック』でアカデミー主演女優賞を受賞したローレンスはまだ27歳の若さです。

それに対して劇団の役者(たとえば宝塚のトップスター)で、こんな大金を稼ぐひとはいません。この極端なちがいはどこから来るのでしょうか。それは、映画は拡張可能ですが、演劇は拡張不可能だからです。

どれだけ人気のある劇団でも、出演者の収入は、劇場の大きさ、1年間の公演回数、観客が支払える料金などによって決まってきます。こうした要素には明らかな上限があり、それが役者の仕事の富の限界になっています。(拡張性がない)。

映画は、大ヒットすれば世界じゅうの映画館で上映され、DVDで販売、レンタルされ、テレビで放映されます。映画スターにはそのたびに利益が配分されますから、その仕事には富の限界がありません(拡張性がある)。

拡張性のない仕事は、ほとんどのひとが平均的な収入の周辺にいて、極端に大きな富を獲得するひとはいません。

拡張性のある仕事は、ほとんどのひとが泣かず飛ばすでも(ハリウッドスターを目指す若者はものすごくたくさんいます)、成功者はとてつもない富と名声を手に入れます。
 
成功した映画俳優が大富豪の仲間入りをするのは、テクノロジーの進歩によって、きわめて安価に(ほぼゼロコストで)コンテンツを複製できるようになったからです。いまやいったん映画が大ヒットすれば世界じゅうで販売されて、巨額の富を生み出すようになりました。映画と同様に、本(ハリー・ポッター)や音楽(ジャスティン・ビーバー)、ファッション(シャネル、グッチ)やプログラム(マイクロソフト)も同じです。クリエイターは「拡張性のある仕事」にチャレンジするひとたちで、一攫千金と世界的な名声を目指しているのです。(後略)
 
『専業主婦は2億円損する』P77~P80
 
 
◎責任とやりがいと、稼ぎの関係
(前略)

1.マックジョブはマニュアル化された拡張不可能な仕事で、達成感はないが責任もない

2.スペシャリストは、クリエイティブクラスのなかで拡張不可能な仕事に従事するひとたちで、大きな責任を担うかわりに平均して高い収入を期待できる。

3.クリエイターはクリエイティブクラスのなかで拡張可能な仕事に挑戦するひとたちで、いちど大当たりすれば信じられないような富を手にすることができるが、ほとんどは名前を知られないまま消えていく

(中略)

ひとびとのはたらき方は、仕事を「労働とみなす」「キャリアとみなす」「天職とみなす」のいずれかに当てはまるといいます。これは、マックジョブ(バックオフィス)、スペシャリスト、クリエイターの分類にぴったり当てはまります。

「労働とみなす」ひとたちは、仕事を生計を立てるためにの必要悪と考えています。彼らがはたらくのは、家族とのだんらんや趣味など、仕事以外の時間を楽しむためです。

「キャリアとみなす」ひとたちは、仕事を通して自分を成長させたいと考えています。仕事と人生を一体化しようとまでは考えませんが、より多くの収入や社会的評判を得たいという野心を持ち、多くの時間とエネルギーをキャリアアップに注ぎ込みます。

「天職とみなす」ひとたちは、仕事に充実感や社会的意義を見出し、金銭的な見返りや出世のためではなく、楽しいからはたらいています。彼らは仕事と人生を切り離すことができず。生涯現役で死ぬまで働きつづけるのを当然と考えるでしょう。そしてこれが、「自己実現」と呼ばれるのです。

ちなみにAI(人工知能)の急速な進歩によって、マックジョブ(バックオフィス)の仕事の多くはいずれロボットに代替されるといわれています。「自己実現できる仕事しか稼げない」時代がくるかもしれません。
 
『専業主婦は2億円損する』P80~P82
 
 
 
本書は専業主婦に対して一石を投じるような書で、アマゾンで見てもベストセラーになっていますが、読書オタクとしては、この仕事観のところに注目しました。つまり、
 
1.仕事を単なる労働とみなす人は、達成感はないが責任もなく、毎月自動で給料が入ってくるという安定感を求める。
 
2.仕事をキャリアアップとみなす人は、自分を成長させることでその対価としてお金をもらうという考え方をもっており、仕事上、責任やプレッシャーは大きいが、仕事を通してある程度の高収入と達成感を得ることができる。
 
3.仕事を天職とみなす人は、もはや仕事を仕事とは思はず、人によっては趣味が仕事になったような人で、他の人が苦労して努力を積み重ねてようやく辿り着くようなことも、努力も努力とも思わず、ただ単に好きだからやっており、続けていくことで他の人が到達できないような高いレベルに達し、結果として、富と名声を得る。そして、仕事が好きなので仕事を辞めることなどこれっぽっちも考えておらず、死ぬまで働きつづけ、それが富と名声に拍車をかける。
 
本引用箇所の力を借りつつ、私はこのように理解しました。
 
もう一つ付け加えるならば、私は、人間はこの3種類のタイプに分けることができるという意味だとは思いません。誰でも最初は天職などわかりませんから、最初から仕事をする喜びなどわからず、とりあえず、生活のために働きだし、労働時間内は人に言われたことをやるだけで、それが終わったら自分の好きなことをやるというところから始まる人がほとんどでしょう。
 
ただ、それだけでは必ずどこかで壁にぶち当たります。そうこうしているうちに、年齢も経験も上がり、どのような仕事であっても必ず学ぶきところがあること。仕事は工夫や自分の考え方次第で、いくらでも楽しくやることができることがわかってきます。
 
そして、それを続けていくうちに、自分が向いている仕事は何かということを見るけることができます。自分がそれまで経験してきた仕事で、何に喜びを感じ、何をやるときに乗り気ではなかったか。というのを積み重ねていくうちに、自分では気づかなかったが、この仕事をやるときにストレスも少なく、他人より比較的容易に結果を出せるという仕事を見つられるようになります。
 
つまり、著者は、ひとびとのはたらき方は3つに分類できると言いましたが、これは、ある意味、社会人の成長の過程でもあると思えるのです。
もちろん、1のままで終わってしまう人もいるでしょうし、2で満足してしまう人もいるでしょう。ただ、本引用箇所の最後にもあるように、今後は3でないと仕事を失う時代がもう目の前に迫っていると思います。
 

みなさんも、今からでも遅くありませんので、自分の天職となる仕事を見つけましょう!

 

一介の読書オタクより

 
 
参考図書:『専業主婦は2億円損する』

発行年月:2017年11月

著者:橘玲(たちばな・あきら)

発行所:千代田プリントメディア
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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