中国と日本のキャッシュレス化事情(下)

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なんでもスマホ決済

ですが便利なのはここだけではありません。これら支払いアプリを使えば相手の口座にお金を送ることもできます。送りたい金額を入力して暗証番号を入力し、ポチッと。この機能、友人とご飯に行く時の割り勘にうってつけなのです。日本では「小銭が手持ちにないからお釣りでない?」なんてことしょっちゅうですよね。アプリでスマホ送金すれば一発、小銭の心配もいりません。受け取る側もジャラジャラ小銭で財布が重くなるなんてことも当然なくなります。

ですが割り勘より衝撃なのはなんと言ってもお年玉でしょう。お年玉すらこのアプリでポチっと送金。ポチ袋を開けるあのワクワクがなくなるのは寂しいですが遠くの孫にだって一瞬で届きますね。結婚式のお祝い金(紅包)もこれで送金するそうです。「いや〜私遠方に住んでるからあげられないわ、ごめんね」なんて言って逃げられなくなっちゃいましたね…!

更に更に。最近は街中でQRコードを持ち歩き寄付を募る人も現れているようです。手持ちに現金がないならスマホは持ってるでしょ?ということです。驚きですよね。

実際どのくらいモバイル決済が浸透しているの?

上記の通り、中国ではスマホでのモバイル決済を主としたキャッシュレス化が急速に進んでいます。モバイル決済トップシェアのアリババグループ支付宝のデータによると、2017年モバイル決済が90%を超えた省は11にも上った、とあります。ちなみに同データによると2016年では90%を超えたのはチベット自治区たった1つでした。凄まじい普及速度が見てとれますね。

 

画像引用元:https://www.ithome.com/html/it/341394.htm

 

(モバイル決済90%以上の省のリスト。2016年はチベット自治区のみ。2017年は上から貴州省、山西省、新疆ウイグル自治区、海南省、内モンゴル自治区、青海省、チベット自治区、広西チワン族自治区、陝西省、寧夏回族自治区、雲南省。)

なぜこんなに爆発的に増加したのか?

まず前提として多くの経済先進国では現金、カード、電子マネー、と時間をかけて段階的に発展してきましたよね。ですが中国は比較的後発でした。つまり、多くの先進国が踏んだ段階的なステップを飛ばしていきなり便利なモバイル決済などの新技術を掴むことができる環境だったのですね。もっと噛み砕いて言えば、未成熟故に後から良いものを選んで普及させる余地があったのです。

更には一般の人でも利用しやすい仕組みも要因の一つでしょう。例えばカード決済なら特殊なカードリーダーの機械を導入せねばならず、そのコストが二の足を踏ませることになります。ですがQRコードでやり取りできるこのシステムは紙さえあればコードを印刷するだけで簡単に導入できてしまいます。お店側もかさばる札束やコインを数えなくて済む上にレジの時間も短縮できます。屋台などは特にこの点での恩恵が大きいと思われます。

日本のローソンにもお馴染みの“青”が…

中国人のお財布アプリNo.1の支付宝。なんと去年から日本のローソンでも支付宝が全国対応になりました。それのみならず日本の大手ディスカウントショップなどでも支付宝や微信支付に続々と対応し始め、中国人観光客の支払いのストレスフリー化が進みつつありますね。ただ残念なことに目下のところ日本人は使用できないようです。

 

画像引用元:https://www.lawson.co.jp/service/payment/settlement/

 

ここまで長々と中国の状況についてお伝えしました。では日本のモバイル決済、キャッシュレス化の現状はどうなっているのでしょうか。

未だ現金社会の日本―セキュリティ面で依然として不安感

今年の1月、コインチェック社が巨額の仮想通貨NEMを流出した事件は未だに記憶に新しいですね。この事件は現金主義の根強い日本において、電子マネーのセキュリティ面での不安感を煽ることになってしまいました。そもそも日銀の2017年6月のレポート(https://www.boj.or.jp/research/brp/psr/psrb170620.htm/)によると日本で店頭でモバイル決済を利用すると回答した人の割合は2016年11月時点で6%にとどまっているとあります。元々利用者が少ない中起きたセキュリティ不祥事。日本のキャッシュレス化の課題は如何に安全を確保するかが第一ではないでしょうか。

日本は本当にキャッシュレス化が必要?という疑問

「別に現金でいいじゃない。その方が堅実で確実。」というのが多くの日本人の思うところだと思います。必要に応じてクレジットカードやプリペイドのICカードを組み合わせて使う今のスタイルが根付いて久しく、特段不便な思いをしていない人が大半です。なので平たく言ってしまえば今更新しい支払い方式を取り入れるメリットをそんなに感じていないことが日本のキャッシュレス化に歯止めをかけていると考えられます。ですので前提としてまずキャッシュレス化のメリットを消費者に広めるところから始めなければ難しいでしょう。

更に言えば少子高齢化が進んでいますから、みんながみんな新しい支払い方法についていくことができるかということも問題になりますね。

現在2020年東京オリンピックに向けて日本政府はキャッシュレス化を推進しています。如何にメリットをアピールしセキュリティを確保するかがこの目標達成の分かれ目となりそうですね。

 

参考サイト:

https://www.ithome.com/html/it/341394.htm

http://president.jp/articles/-/22419

https://www.boj.or.jp/research/brp/psr/psrb170620.htm/

https://crecatty.jp/trends/984/

https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO2843688022032018000000?channel=DF080320183479&page=2

 

筆者:山本果歩

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