何でも、うますぎるのもダメだそうですよ!

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第74回
~『掴む ひと  逃す ひと』(竹由喜美子著)を読んで学んだこと~
 
やっぱり何事もバランスが大事です
 
本書は、元京都の舞妓さんが書いた本で、その業界にいた人しかうかがい知ることができない内容が盛りだくさんです。また、仕事柄、50代や60代の経営者や会社幹部の方などとお会いすることが多いようで、そのお歴々から聞いた人生やビジネスの教訓もふんだんに盛り込まれており、私は下手なハウツー本よりはよっぽどビジネス書として価値があるのではないかと感じました。
 
また、読書オタクが読む本は、男性が書いた本ばかりに偏ってしまう傾向がありますし、女性が男性をどのように見ているかという視点からの記載も多いため、改めてなるほどなと思った点も多かったです。
 
いずれにせよ、まずは、気になった箇所を以下に引用します。
 
 
【この本のポイント!】
 


他人を飽きさせない

もちろん、自分自身も飽きないこと
 
都市伝説のひとつなのかもしれませんが、かつて日本にハンバーガーショップが誕生したとき、美味しすぎないようにした、と聞いたことがあります。(中略)

テレビの食レポ番組ですと、やたらと「うま~い!」が連発されますが、それほど「うま~い!」ものだと、朝昼晩食べ続けることはできません。美味しすぎるものは、どうしても飽きがきます。たとえ腕利きのシェフが腕によりをかけてつくった逸品であっても、三度の食事がそればかりでは食傷しますよね(そんな目にあったことないですけど)。高級料理もB級グルメも、たまに食べるから美味しいのでしょう。

そこでハンバーガーショップの経営トップは、美味しいけれど美味しすぎないようにしたのだとか。100%あるいは120%美味しくしようと思えばできるけれども、ほどほどの美味しさにしておくのです。すると食べたひとは、美味しいと感じるとともに、食傷するほどではありませんから、また明日も食べようかな、となります。

こういう戦略によってハンバーガーは日本に定着したのだそうです。(中略)
 
たとえばビジネスの世界では、「あきらめが早いひと」というのは、とかく「やってみました。ダメでした」と言いがちで、上司からは「あいつは使えない」と見られると聞きました。

「やりました。ダメでした」ではなく、ねばりにねばってみることが必要だそうです。ただし、「ひとつのやり方がダメであれば、すぐに次の手を打つこと」もおろそかにしてはならず、つまりあきらめるのとねばるのと、「ほどほど」のひとがいいのだそうです。

ベンチャーからスタートし、上場企業にまで発展させた会社の会長さんは、さらにこうもおっしゃっていました。「仕事というのは、実現までのプロセスを念頭においておかなければ、たんなる思いつき、ただの遊びになる。といって慎重になりすぎたり深く考えすぎたりするのもよくない。失点したら取り戻せばいい、嫌なことはその日に忘れる。それくらいのおおらかさも必要。ほどほどがいちばん」と。
 
「飽きがこない」が掴むひとのキーワードではないかと思うのです。(中略)

長く付き合っても食傷気味にならない、つまり飽きのこないひとというのは、超えてはならない限度をわきまえたうえで、ときどき、そういったおやっと思わせる面をもっているひとではないかと思うのです。

「バランス感覚にすぐれているひとというのは、リスクをおかさないひとではない。安全確実な道を選ぶだけでもない。両方のよさと危険性を知ったうえで、ときにはリスクのあるほうに重心をおき、ときには安全策に重心をおく、そうやってトータルで見たらバランスが取れているということかな」。(後略)
 
『掴む ひと  逃す ひと』P104~P107
 
 
本引用箇所の前半部分は食について書かれています。
 
それと比較するのが適切かどうかは不明ですが、中国には多くの日系のラーメン屋がありますが、私が食べる限りあまり美味しいと感じるお店は多くないです。私自身がラーメンに関して特に詳しくないというのもあると思いますし、これまでに日本でも中国でも美味しいと思ったラーメンに出会ったことはほとんどありません。
 
ただ、本引用箇所を読んで思ったのは、よくよく考えると、あまり美味しくないと感じたのはチェーン店がほとんどで、美味しいなと感じたところは、個人店か規模の小さなお店であることに改めて気づきました。これは、日本でも中国でも同じですし、ラーメンに限らず、カレーなど他の料理も同じです。
 
もちろん、大規模にやっているチェーン店の味がマズイわけではありません。ほんとに美味しくなかったらお客様も来ません。ただ、これはうまい!という衝撃を受けるようなことはほぼなく、何となく美味しいような気がするか、まぁまあの味だけど、それならこのお金を払うのはちょっと割に合わないなと思ってしまうことが多い気がするだけです。
 
また、これは以前聞いた話で、アメリカで2人の経営者がほぼ同時期にラーメン屋を出した時のことですが、一方は日本ながらのつけ麺にこだわり、もう一方は、アメリカ人の嗜好に合わせることにこだわったそうです。つけ麺の方は、日本人が食べてもすごく美味しかったそうなのですが、もう一方のお店は、日本人が食べてもあまり美味しいと感じなかったそうです。
 
結果は、つけ麺のお店はわずか数ヶ月で閉店の憂き目にあい、アメリカ人の嗜好に合わせたお店の方は、とても繁盛して店舗数もどんどん増えているそうです。
 
中国での自分の体験とアメリカでのこの話を聞いたときに、やはり、食というのは、わかってくれる人だけわかってくれればいいと考えているのなら別ですが、繁盛させたいのであれば、現地の人の味付けに合わせるのが正解なのだなと思いました。
 
そして、本引用箇所を読んで改めて感じたのは、アメリカでつけ麺にこだわったお店は、アメリカ人にはその味付けが響かなかったという風に聞いていますが、もちろんそういう理由もあると思いますが、ひょっとしたら、美味しさを追求し過ぎたのかもしれないと改めて思いました。ハンバーガーを日本に普及させるときに、美味しくできるけどあえて美味しくし過ぎなかったというのと同じ理屈です。これは、改めて勉強になりました。
 
引用箇所の後半で書かれているのは、ビジネス上の鉄則と言えますが、「言うは易く行うは難し」で、ベンチャーから会社を興して上場企業になるまで会社を大きくした人が言うからこそ重みがあるのでしょう。私は自信はちょっとだけできるようになりましたが、まだまだです。
 
いずれとしましても、私は本書を読んで面白いと感じましてので、みなさんも一度目を通されてはいかがでしょうか?結構意外な発見がりますよ。
 
一介の読書オタクより
 
 
参考図書:『京都花街の芸舞妓は知っている 掴む ひと  逃す ひと』

発行年月:2017年8月

著者:竹由喜美子(たけよし・きみこ)

発行所:すばる舎リンケージ
 
※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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