相手の言うことを鵜呑みにしていませんか?

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読書オタクが語る日本図書シリーズ 第97回

~『知っておくと必ずビジネスに役立つ中国人の面子(メンツ)』(吉村章著)を読んで学んだこと~

 

問題なしは問題あり。

 

中国に住んでいると、「没有問題(メイヨウウエンテイ)=問題ない、大丈夫」という言葉を、ニーハオの次によく耳にしますが、正直に言って、これほどいい加減なで無責任な言葉はないと思います。なぜなら、この言葉ほどアテにならないことはないからです。

ただ、このことは、中国事情に明るい外国人だけでなく、中国人同士でもよくわかっており、慣れてくると、と言うと変ですが、中国でこの言葉を聞いた場合はあまり細かなことを考えず、ニーハオと同じ挨拶の言葉くらいに捉えていた方がいいでしょう。

本書は、中国人のメンツについて書かれた本であり、本件はやや本題から外れます。ですが、この「問題ないは問題あり」という部分は、今回引用する箇所に体系的にとても分かりやすくまとめたれておりますので、以下に引用します。

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/中国-平遥の西安市-仏教寺院-バイクの男-仏教-平遥西安-1162760/

 

【この本のポイント!】

 

「3つの没有」に要注意①

「問題なし」と言う中国人は問題あり?

「問題がない」とは、問題に気づいていない可能性も

 

「3つの没有(メイヨウ)」とは「没有問題(メイヨウウエンテイ)」「没有関係(メイヨウグワンシー)」「没有弁法(メイヨウバンファ)」という3つのフレーズです。「没有問題」は「問題ありません」という意味です。中国人が口癖のように使う言葉です。しかし、この言葉を鵜呑みにしてしまうことは危険です。「問題ない」はどこかに「問題がある」と疑ってかかるくらいのほうが無難です。

次に「没有関係」という言葉が続きます。「大丈夫、大丈夫。気にしなくてもいいですよ」という意味です。この言葉を使う段階になると問題はかなり深刻な状況に陥っているはずです。

ここは、みなさんのほうから問題点を見つけ出すラストチャンスだと思ってください。

最後に、突然「没有弁法」という言葉がやってきます。これは「仕方ないです」という意味です。これはすでに手遅れの段階です。この言葉が出てきたら、問題はすでに修復が不可能な状況になっています。やり直しは不可能ですから、もうあきらめるしかありません。「没有弁法」は、「自分ではできる限りの手を尽くしたがダメだった」「これは不可抗力だ」「できることはすべてやった」「これ以上は私の責任ではない」という、あきらめや責任逃れ、言い訳のニュアンスを含む言葉です。(中略)

実は、私自身もそうです。「没有問題」という言葉に何度も振り回されてきました。(中略)

ここで「没有問題」という発言の背景をいくつかチェックしてみましょう。

「本当に問題がない」というケースもありますが、「問題は起こっているが、彼自身がそれに気づいていない」というケースもあります。この2つは問題を隠そうという意図はまったくないのです。

「問題があることは認識しているが、まだ知らせるほど深刻ではないと思っている」というケースもあります。「問題に気づいているが、自分で解決できると思っている」というケースもあるでしょう。「自分一人でなんとかできる」「知らせるまでもない」と考えているのです。

さらに「問題があることに気づいていて、それを隠そうとしている」というケースもあります。「問題を知られたくない」と意図的に隠している場合は確信犯です。(中略)

 

【ポイント】「没有問題(メイヨウウエンティ)の5つの段階

・本当に問題がない。順調に進んでいる。

・問題が起こっているが本人は気づいていない。

・問題が起こっているが、本人は大丈夫だと思っている、報告するほどではないと思っている。

・問題が深刻な状況だが、本人は自分で解決できると思っている。気づかれたくないと思っている。

・問題が起こっていることを意図的に隠している。

 

『知っておくと必ずビジネスに役立つ中国人の面子(メンツ)』P220~P222

 


画像引用元:https://pixabay.com/ja/中国人シェフ-シェフ-市場-男-人-料理-幸せ-笑い-379461/

 

この引用箇所のまとめ方は素晴らしく、まったくもって「問題なし」ですが(笑)、中国では本当に気軽に、いとも簡単に「問題ない」と言ってくる人が多いので困ったものです。

ただ、彼らのことを擁護すると、その多くは、余計な心配をかけたくないという気づかいだと思います。たとえ問題が発生していても、自分たちが苦労して何事もなかったかのように解決すればいいのですから。

ただ、これは日本でも同じですが、若かったり、経験が不足していたりすると、そもそもどのような問題があるか、どのような問題が起こりそうかわからないため、問題が既に水面下で発生していても、それに気づいていないという場合も多いです。

ですので、相手の口調、顔(特に目が泳いでいるかどうか、泳いでいたら仕事のキャパが超えている可能性がある)、雰囲気、特に生産を依頼している場合は工場の雰囲気、などは、常に中止していた方がいいです。もし、日本と中国とで離れて仕事をしているとすれば、レスポンスのスピードが大きなウェイトを占めますが、いずれにせよ、問題があるかどうかは、「没有問題(メイヨウウエンテイ)」「没有関係(メイヨウグワンシー)」「没有弁法(メイヨウバンファ)」の意味の違いがどうこうではなく、あらゆる手段を用いて、自分の経験を総動員して、あくまで自分で責任をもって判断する必要があります。

まぁこんなことは日本でも同じですが、海外なので特に注意が必要です。

もっといえば、中国はメンツ社会であるということは、それを逆手に取ることともできます。つまり、中国人の場合、ある程度しっかりした関係を築くことができれば、自分も彼らのメンツの範囲内に入れてもらえることができ、ちょっとやそっとのことではビクつかない関係を構築できます。つまり、こちらのメンツをつぶさないために必死になって頑張ってくれるのです。

メンツというとどうしてもネガティブなイメージがありますが、どのようなことでもポジティブな面とネガティブな面、メリットとデメリットがあるという典型的な例が、このメンツというものなのではないかと感じています。

 

なお、余談ですが、今回出てきた言葉と似た言葉に、

有関係就没関係、没関係就有関係。

というのがあり、直訳すると、漢字を見たそのままですが、

関係あるは関係ない、関係ないは関係ある。

となります。これだと、わかったようなわからないような、ややとんちめいた言葉で結局よくわかりませんが、

有関係=関係ある

没関係=関係ない

という意味の他に、

有関係=有問題=問題あり

没関係=没問題=問題なし

という意味も含まれています。この観点から再度直訳すると、

有関係就没関係、没関係就有関係。

=関係があれば問題なく、関係がなければ問題あり。

となります。ただ、まだちょっとわかり難いと思いますので意訳すると、

たとえ何か問題が発生しても、しかるべき人間関係(人脈)があれば解決できるので問題がないが、そのような関係がない場合は問題だ。

というような意味になります。

 

中国は良くも悪くもメンツとコネの社会なのかもしれません。

 

一介の読書オタクより

 


画像引用元:https://www.amazon.co.jp/知っておくと必ずビジネスに役立つ中国人の面子%EF%BC%88メンツ%EF%BC%89-吉村-章/dp/4862802575/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1530949071&sr=1-1&keywords=%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA+%E9%9D%A2%E5%AD%90

 

参考図書:『知っておくと必ずビジネスに役立つ中国人の面子(メンツ)』

発行年月:2011年6月

著者:吉村章(よしむら・あきら)

発行所:総合法令出版

※本記事の写真はすべてイメージです。本記事は参考図書の一部を引用したうえで、個人的な感想を述べているに過ぎません。参考図書の実際の内容は、読者ご自身によりご確認ください。

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